STEPサウンドフェアin名古屋!!

4月12日、名古屋のアートピアにて開催されたSTEP協議会主催の「STEPサウンドフェア」に、TCエレクトロニクス日本支社のお招きで行って参りました。

STEP協議会さんの開催するサウンドフェアやセミナーには、私は今まで一度も伺ったことがなく、どんなものだか全然分からないまま、ただ「頼まれてやって来ました」という状態での名古屋だったのですが、お客さんが大変多く、またホール内でセミナーが進行しているのと同時にロビーでは各メーカーさんの展示が行われているというのが興味深かったです。それはとりもなおさず、「セミナーが面白くなけりゃロビーに出ちゃうぞ」と客席から無言のプレッシャーを受けてるようなもので、胃が痛い痛い。
まな板の上の、じゃなく舞台の上の鯉、ですな。

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私のテーマは「立体音響」。これはここ何年来の私個人にとっての重要なテーマの一つで、私が実験と考察を重ねてきたものをお見せしお聞き頂くという、私個人にとってはとても私個人の核心に触れられてしまうテーマです。
しかも制限時間は20分!(仕込みバラシの時間含む)
正味1時間欲しいよ〜、そしたらもっともっと面白いものを出せるのになぁ。
私が舞台の上に出てしまうので、卓でフェーダーを握ってくれるのが不二音響の横山さん。
その隣でTCエレクトロニクスのシステム6000を操作するのが京田さん。

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「立体音響セミナー」の中身ですが、テキストに掲載したものをここに載せてしまうと、お金払ってテキストを購入して下さった方々に失礼になってしまうので、当日の上演台本(そんなもんまであるのか)を、このサイトの「KOICHI ISHIMARU」の部屋にアップいたしますので、御覧下さい。

何故私が今、立体音響にこだわるかと言いますと、月間放送技術の連載エッセイ「音話屋ダイアリー」の01年3,4,5月号にも連続して書いております通り、劇場空間は、舞台があって客席があって、と、分断されている訳ではありません。
舞台と客席は一つの空間です。そこに立体のパノラマがある訳です。
音響演出は、舞台公演において、聴覚演出を担い、聴覚演出の立場から演出家をサポートする、というのが、本来あるべきスタンスであると考えます。
ですから音響さんは、舞台と客席が一体となった立体の空間に、音のパノラマの絵が描ける
イマジネーションを持っている人でなくてはなりません。
それがここ数年、減ってきているように感じます。
特に若い世代にそれを感じます。
理由は単純な事だと思います。テレビです。
生まれたときから当たり前のようにテレビがあった世代が、ブラウン管の向こう側とこっち側、という、その境界線に音があることが当たり前の感性で育ってしまっているのです。
ですから、そういう人が音響につくと、立体音響はおろか、通常のPAでさえも、舞台と客席の間に、音でブラウン管のような壁を作ってしまうようなPAをしてしまっています。
これがどんなに致命的なことか、じゅうぶんお分かりでしょう。

通信が発達し、何でもディスプレイの前で手に入るのが当たり前の世の中になると、わざわざそこへ出かけていって、身体で体験しなければ得られないものが大切なものになり、貴重で贅沢なものになります。
その筆頭が劇場であり、遊園地であります。
その時に、
舞台と客席がパッキリとセパレートされてしまうような、舞台と客席の間にブラウン管が出来てしまうようなPAをしていたら、それはもう、舞台表現の否定であるとさえ言えましょう
「なんだ、こんなんだったら家でテレビ見てるのとおんなじじゃん」と思われたら、それは舞台表現の死を意味します。
つまり現在は、立体音響どころじゃない、というのが現状でしょうか。哀しいことです。
しかしまた、この現状を打破するのもまた、「劇場音響は本来は立体音響的考え方をするものだ」というスタンスなのです。
テレビの影響は演出家だって受けています。いろんな公演を見ているとその影響は顕著です。
でも演出家は音の専門家ではありませんし、詳しく分かっている必要もありません。それは音響の仕事です。音響さんが演出家に提案していくべきことです。
それが、いつのまにか、演出家や出演者の御用聞きの仕事しかしない音響さんが増えてしまいました。
私は諸先輩方から、音像定位、音像移動を実際のオペの中で、沢山教えていただきました。
そういう私の責任として、次に伝えていきたい、そして私の代でも、何か新しい手法、何か新しい演出効果を生み出して次に渡したいと思っています。


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