パン・スクールオブミュージックで特別講義してきましたの巻

99年10月21日、パン・スクールオブミュージックからお招きを受けて、特別講義をやってまいりました。

昨年、全国ツアーを敢行した「ローランドPAセミナー」を、この学校の中村先生がおいでになってご覧下さっていて、その後私のこのホームページを探して下さり、「うちの学校で特別講義をやって欲しい」と連絡を下さったのです。

スゴイ!こんな光栄な話、こんな嬉しい話、滅多にありません。
このサイトを立ち上げる際に皆様にもお話しした、「インターネットによって個人はどこまで社会とコミットしていけるのかという試み」が、また一つ、結実したと、感激しています。
パン・スクールオブミュージックは、作曲家の小林亜星さんが学校長をつとめる学校で、東京・代々木にあります。

代々木は嘗ては予備校の街、浪人生の街でしたが、(かく言う私もこの街に一年間おりました)今では、専門学校、音楽の学校、美容学校、アニメーションの学校などがひしめき合っていて、昔よりも明るく活気のある街に変貌していました。通り過ぎることはあっても足を踏み入れるのは数十年ぶり、という私にとっては、隔世の感がありました。

パン・ミュージックスクールはその中でも比較的新しい学校のようで、敷地も教室も小さくはありますが、学校の先生方も学生さん達も、やる気と勢いの強く感じられる方々ばかりでした。
講義開始までは、随分緊張してたんです。これでも。

去年、ローランドさんの主催で全国をセミナーのツアーで回った時には、参加して下さった方々は皆、御自分から「聞いてみたい」と思って来て下さった方々ばかりな訳です。
ところが今回は、学生さん達にとっては、学校側から「特別講義があるから出席しなさい」と言われて出席する訳で、私にも私の話にも「別段興味がない」生徒さんだって沢山いるだろうと予想されます。
そういう客席を相手に、私の話は果たして受け入れられるのだろうか、私は客席のハートを掴むことが出来るのだろうか、元来がアガリ症の私は、もうガッチンガッチンに固まってしまって、これなら本番オペを100回やったほうがずっとマシです。

が、そんな杞憂も、開始早々、私が「普段は客席最後部の音響室で、お客様の後頭部を見て仕事をしてばかりで、こうしてお客様の顔を見て何かしろとなると、もうアガッてしまいまして…」と素直に白状してしまうと、客席が一気にほぐれ、フランクな雰囲気が立ち込めて、そこから私はスンナリと皆さんに受け入れられる事が出来ました。

今回は、「舞台音響の花道」というタイトルを付けて、去年のPAセミナーとは内容を一新し、効果音を聴いて貰ったり、生効果音の実演をしたり、舞台公演のビデオを観てもらったり、PowerBookでの音出しを紹介したり、劇伴音楽を聴いて貰ったりしましたが、テーマは、いつも変わりません。

音響って何?
音響→「演出」
何らかの意図があって音が出され、何らかの目的があって音が消されていく
演出のない音響は音響ではない ただの音の垂れ流し
どんなにテクニックが上手くても機械のことを知ってても、二次的なもの
それらはみな演出を具現化するための手段にすぎない
演出がなければ技術も知識も何の意味も持たない
じゃ、演出って、何?
自分は今、誰に、どんな音を聴かせようかと、考えているか、ということ
相手→客、出演者、スタッフ、主催者→いい音をサービスしようということ
つまり演出とは「思いやり」
ここがアマチュアのオーディオと音響の決定的な違い
オーディオは自分の楽しみ、自分の自己満足のために音を出す
音響は、自分でない他者のために音を出す



音は 人を幸せにできる
音で 人が殺されることもある

実際に命が奪われなくても肉体に大きなダメージを与えたり、心が死んでしまうことは幾らでもある
私たち、音を扱い、音を操る立場の人間は、
その影響力の大きさに常に畏れを抱くべきである
そして 願わくば 自分の出す音で 一人でも幸せになったり、いい気持ちになったり、楽しくなったりしてほしい
これが音響の 始まりであり、全てである(アルファでありオメガである)

この私のテーマは、どんな内容の講義をやっても、変わりません。

私が一番、伝えたいこと。

パン・スクールオブミュージックの中村先生も、「内容が変わっても、スピリッツが同じで、そのスピリッツに感動します。」と言って下さいました。


よく、「セミナーに参加して感動するなんて珍しい」と言われますが、感動したと言って貰えるのは、その部分が伝わったからなのかな、と納得するようにしています。
これからも、お誘いがあれば、どんな遠くにでも出掛けていって、お話をさせていただこうと思っています。

どうも有り難うございました。


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