VX PocketとPowerBook G3でダンス公演!
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4/30追記レポート

VX PocketとPowerBook G3でダンス公演!
突然ですが、皆様、公演での再生機器、どうなさってます?
MDですか?CD-Rですか?MOですか?
在庫が尽きるまで6mmにこだわってらっしゃいます?
それとも、今挙げたメディア全部駆使してやってらっしゃるとか?
ハイ、私もそうです。卓回りにはCD、MD、MO、6mm、サンプラー、キーボードが並びまくって、傍から見ると「とっても楽しそう」なんだそうで。
やってるこちらは必要に迫られて種類多く並べているだけでして、「困っちゃうな〜」と思いながら、結構この状況を楽しんでいたりして。

6mmが消えきらないのは、MDやCD-Rのエラーに対するバックアップですね。
MDやCD-Rはエラーが起きると真っ白になっちゃったりプレーヤの電源を一旦落としてもう一度立ち上げないといけなかったり、面倒なことがあるし、現場でのエラーからくるトラブルの話は、全国津々浦々、尽きることがありません。

6mmだってテープが切れたらどうすんだ、と言われますが、回りの諸先輩方にお聞きになって下さい。
テープが切れてもそのまま指でリールを回し続けたとか、武勇伝があるでしょう。
そう、何とか音だけは出し続ける、これがMDやCD-Rでは出来ない。

大体、もう6mmが生産されなくなって過去のものになってしまった今だからこそ敢えてヒドイ言い方をしますが、本番中にテープが切れるなんて、編集が下手くそだからです。スプライシングテープのせいにすることが多いですが、私、1年365日毎日いちどに9台のテレコを回し続けるという気の狂いそうな公演の現場に何年も携わってましたが、一度もテープが切れたことなんてないですよ。

また、昔、文化放送の「吉田照美のてるてるワイド」という、学生に超人気のラジオ番組で、ペーペーのスタッフをやっていましたが、生放送のラジオ番組でのテープ編集っていったら、そりゃ修羅場でしたが、スタッフの皆さんコンマ何秒の世界で神業のようなテープ編集をしてのけてました。

編集時にはそりゃもう、工芸品を創る匠の技でしたね、私の先輩や師匠は。

これでテープが切れるわきゃない、ってなもんです。
テープが切れた、だからオープンはいやなんだと、現場でわめいた音響さんの編集箇所を見せてもらったことがありますが、「ちょん切れて当たり前」の編集ですもん。

話が横道にそれてしまいました。
私が言いたいのは、6mm以上の信頼性を持つデジタルメディアが未だにない、という現状で、やれること、試したいことは、なりふり構わずやってみたい、その実験の場がこのLunadfuegoでありますし、今回のVX PocketとPowerBook G3の組み合わせもその一環です。
放送技術の音話屋ダイアリーの
2000年4月号にも書かせていただきましたが、私は稽古場に、PowerBook G31台を抱えて行きます。

 もちろん、舞台図から仕込み図、スケジュール、お金の相談、もろもろをこなすのに必要なのですが、最近は、デジグラム社のVX PocketというPCカードを手に入れて、音出しも容易に出来るようになりました。

 今までもPowerBookでの音出しはしてきましたが、このVX Pocketというのは、PCカードにキヤノンでアナログのIN/OUTと、ピン端子でSPDIFのデジタルIN/OUTがついていまして、簡単にミキサーやレコーダに立ち上げることが出来るようになりました。
 音質も全く問題なく、CDと同等、MDより良いと言えましょう。
芝居やミュージカルでは効果音や音楽を稽古場で編集したりエフェクトをかけたりキッカケで叩き出したり、ダンス公演では振り付けの先生と一緒に、稽古場で本番素材の編集も済ませてしまいます。

 実は、6mmテープを除くと、MDやMO、CD-Rなどと比較して、私のオペレート環境で言えば、PowerBook G3での音出しが一番トラブルがありません。一度も起きていないんです。実績の順から行くと、1位がPowerBook G3、2位がOTARIのDX-5050、続いてMD、CD-Rと続きます。
 この話をすると皆さん異口同音に「信じられない」「大した使い方してないんじゃないの」「Macはすぐフリーズするじゃん」とおっしゃられ、まるでまともに取りあって貰えないことが多いのですが、実際、現場でMacを使用している人たちに話を訊いてみると、PowerBook G3にMacOS8.6.1を入れた状態は物凄く安定していて、MDやCD-Rの比ではありません。
「スターウォーズ・エピソード1 ファントム・メナス」の屋外撮影の同時録音も、PowerBook G3で行われていたそうです。

 私はこのVX PocketとPowerBook G3のコンビに、SoundEdit 16を合わせて使用しています。
なんでPro Toolsじゃないのかって?買えないから!買いたくないから!

Pro Toolsは買う時にお金がかかり、買った後もヴァージョンアップで買うのと同じくらいお金がかかる。
まるで業界全体がPro Toolsのためにヒィヒィ言って働いて稼いで稼いだお金をみんなPro Toolsに貢いでいるようなもんです。こういう状況が、皆さん見えていらっしゃるんですかね?

ウルトラセブンのモロボシダンの台詞じゃありませんが「血を吐きながら続ける哀しいマラソン」ですよ、これじゃ。
SoundEdit 16は安くて、舞台公演の音響素材に必要な編集機能はみんな付いてます。
叩き出しについては、SoundEdit 16はあまり向いてません。今回の写真はみんなダンス公演での写真でして、芝居やミュージカルと違って、煩雑でシビアなキッカケが山ほどあるわけではなく、長尺ものの素材が多いので、SoundEdit 16でも十分再生機器として使えますので、このような仕込みとなりました。

今、気になるのはMotion Dive2。VJ用ソフトということですが、これ、PowerBook G3を再生機器として使用するためのソフトになってもらえないか、と、今、テストを行う計画を練っているところです。

Mac OSが8.5より古い場合は、Digigram VX 2.2.3というドライバソフトでいけますが、Mac OSが8.5より新しい場合は、Digigram VX 2.2.4というドライバソフトを使用して下さい。
とは言ってもこれは、メーカーの正式なアナウンスではなく、私個人の実験データの結果、ですが。

このレポートに関するお問い合わせ、苦情、御感想は、
kohtz@.lunadfuego.com
までどうぞ。

白石@Luna女王様の御姿。

VX PocketとPowerBook G3でダンス公演!4/30追記レポート

今回のレポートについて、以下の2件についての御批判を頂戴しました。
御批判を頂けるというのは大変に有り難いことで、このサイトを見ていてくれている、ということですから、こんなに嬉しいことはありません。

アクセスカウンターはこのところ順調に上がっているんですが、以前に比べてこの頃あまりメールを頂戴しないもんで、少々不安になっていたもんですから、余計嬉しいです。
皆様も是非、御意見、御感想、御批判などお寄せ下さいませ。
それでは早速、その2件を御紹介し、それぞれについて私からお答えをさせていただきましょう。

1VX PocketのPCカードとケーブル部の接続コネクタはあまりにもヤワすぎる。
レコーディングならまだしも、ライヴの叩き出しでVX Pocketを使うのは危険すぎるのでは?

お返事:おっしゃる通りです。私もこれを生の本番で使用するときは、PowerBookの周辺1mを立ち入り禁止にしています。それでも、接続したケーブルの自重で、接触不良が起きるのを防ぐために、上の写真では写っていませんが、角材を接続部につっかい棒のように入れて、接続部に重さの負担がかからないようにしています。

ですが今回、敢えて不安を承知の上でVX Pocketの使用に踏み切るに至った、私のMDやCD-Rへの不信感、これは上の本文中でも触れましたし、以前掲載いたしましたOTARIのMOディスクプレーヤ、DX5050でも書きましたが、その不信感がこれほどのものだ、というニュアンスで受け止めて頂ければ幸いです。

別にVX Pocketを本番で使用することを強くお勧めする積りはございません。私も今回は実験チャレンジの積りでやっておりますし、その一方で他に何かVX Pocketに替わる、より有効な出力デヴァイスはないかと探しているところですので、もし何か御存知でしたらお教えいただきたいと思います。

いつも書いていることですが、Lunadfuegoは、非営利の実験・制作グループです。通常ならば会社の利益や信頼に関わるような、やりたくてもやれない、不可能な実験やフィールドテストを行おうというのが、このLunadfuegoの設立目的のひとつであります。
そういう意味では今回の御指摘は誠に我が意を得たり、といったところで、出来ますれば、更なる御指摘、そして「こういう出力デヴァイスはどうなんだろう、有効だろうか?」といった御提案も頂ければ、我々Lunadfuegoは、喜んで、危険を承知のフィールドテストを敢行いたします。

2・SoundEdit16は、まるでオモチャのソフトだ。ProToolsの方がいいに決まっている。

お返事:例えば私が料理人で、A社の中華鍋とB社の中華鍋の二つを持っていたとします。
A社のものは立派なもので、B社のものはチャチでオモチャの様な中華鍋だったとしましょう。
その二つの鍋を使って私がそれぞれ野菜炒めを作って、お客様は「A社の中華鍋で作った野菜炒めの方が断然美味しい、比べ物にならない」と言うでしょうか?もし言われたら、私は料理人として「
既に死んでいる」と言えましょう。

私は機材を供出して一山いくらでお金を貰い、言いなりに機材を操作する「音響屋さん」ではありません。
私の感性、私のセンス、私のデザインにギャラを払っていただく「
音響家」です。

この違いは、今後、ハッキリさせていくべきですし、ハッキリと区別されていくことでしょう。
今まで、音響屋さんも音響家も、いっしょくたにして「音響さん」と呼ばれてきましたが、もう、そういう段階からこの業界は脱皮すべきではないでしょうか。

今回のダンス公演で、SoundEdit16を編集の段階から本番まで使用して、振り付けの先生からダンサー、お客様に至るまで、SoundEdit16を使用したことに対して一切の不満・不評は出ませんでした。
「いい公演になった」「またお願いいたします」という声ばかりでした。
その声は、私の
デザインに対して向けられたものです。
もちろん、本文中に触れた通り、再生ソフトとしては私個人的に大いに不満が残ってますが(不満どころじゃありません、再生ソフトではないと初めから思ってますが)、その本番再生でさえ、振り付けの先生やダンサーやお客様に対し、
不満や不便をおかけしてはいません

もし仮に次回公演で私がProToolsを使用し、その次の公演でSoundEdit16を使用して、振り付けの先生やダンサーさんに「ProToolsに戻してくれ、お話にならない」と言われるでしょうか?
絶対に言わせません。
ProToolsがSoundEdit16より良いソフトだなんて百も承知で言ってるんです。

センスの無い人がProToolsを持ってきて、私がSoundEdit16を持ってきて、「ProToolsの方が良い公演になった、お客様もProToolsの方が喜んでくれた」ということにはなりません。
「何を使ってるか」ではなく「誰がやっているか」でしょう。

例えばスピーカもそうです。今現在、「致命的に仕事にならない」スピーカなんてないでしょう?
どのスピーカを使おうと、私が手掛ければ私の音になるんです。
その上で、好き嫌いを言い合っているだけです。
好き嫌いを良い悪いに置き換えて発言するのは危険です
私のデザインがその公演にフィットしなければ他の音響家に仕事が行く。
私のデザインのカラーが気に入ればまた頼んでくる。
私とLunadfuegoは、
「音響家」は、アーティストだと考えています。

それから、もう一つ。
ProToolsを持ってなければ、使えなければ仕事にならない、仕事が来ないなんて、私達音響の業界は
そこまで哀しく文化的に貧しい業界なんでしょうか?

私が立体音響作品の制作でスタジオに入る時、ProToolsの操作員として、レコーディングエンジニアとは別に、マニピュレータさんを雇ってきてもらいます。確かにマニピュレータとしてギャラを取るだけあって、レコーディングエンジニアや私が到底追いつけない、目にも止まらぬマウスさばきで、手首が場所を全て覚えています。そこまでいけば十分ギャラの取れる仕事だと思います。

レコーディングエンジニアさんがそこまで出来る必要はないでしょう。レコーディングエンジニアさんは、演出家としての私のデザインを具現化してくださるのが仕事です。私は発想し、イメージし、創造するのが仕事です。マニピュレータさんが仮にミキシングが出来なくても、発想が全然浮かばなくても全く構わない訳です。

そしてプロデューサーは、それら3者にキチンとギャラを用意するのが仕事です。
そういうふうにしていかないと、この業界は大きく豊かにならないでしょう。
はじめからお金を出す側の渋るがままに従って、「一人が何役も兼ねれば安く上がるし仕事も速い」という言い訳で、安いギャラで一人がヘトヘトになるまで働いて、それが「
いい仕事」なんでしょうか?
それじゃいつまでたってもこの国で音響というジャンルのステータスは上がりません。
みんなでもっと、音響というジャンルを、社会的にステータスのある、誇りの持てる、お金と時間に余裕の持てる、次世代が夢を見ることが出来る、そういうジャンルにしていきませんか?
「お前の言ってることは歯が浮くような綺麗事だ」と思われる方。
ええ、その通りです。
その歯の浮くような綺麗事を、歯を食いしばって個人レベルででも草の根でも具現化しようと頑張っているのが、私達Lunadfuegoなのです。


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